真赤―まそほ―

レッドクリフPart2:感想3

赤壁の戦いの前に、曹操が自分の軍の疫病に罹ってしまった兵士たちのところへ行くシーンがあるのですが、ここで病弱な息子の話を出しつつ、兵士たちを鼓舞し、兵士たちは感動して病気の体をおして立ち上がるのですが、どうも斜め上に見てしまう傾向が出て、兵士さんたちは感動しているけど、つまりは『病気で寝ていないで立って戦えや』ってことですよね。曹操が言っているのって。
んでもって、華陀さんが曹操軍を去った理由が最初分からなかったのですが、曹操が病人を無理に戦地へ赴かせるのを嫌っての反抗かなと思ったら、友達から借りた小説曰く、病人がいないのなら自分がここにいる理由はない、とのこと。当たらずとも遠からず、というところでしょうか。病人がいない、てことは病人たちが戦地へ行ってしまったからってことですし。

さて、時は来たれり。風がやみ、念願の東南の風。更に劉備軍も復帰。今が勝機よと、先発の黄蓋の爺様たちが特攻をかけます。曹操軍は慌てて繋いでいた船を切り離して分散しようとするけれど遅く、火種を積んだ船が曹操軍の船へ突っ込み、一気にあたりは火の海。阻止しようとする曹操軍、決死の覚悟の孫権軍、そしてその作戦を確実なものとするために背後から奇襲をかける劉備軍。
このとき、孫権たちが乗った船が突っ込む勢いで着岸したとき、何気に孫権が尚香を守って抱きとめているのが良かった。お兄ちゃんしているなぁ!
そして黄蓋の爺様は突っ込んだ勢いで海に落ちてました。いやもしかして突っ込んだの見届けて自分で落ちたのか?三国志の方ではこの後、曹操軍にとっ掴まるわけですが……。というか、突っ込む前に矢に思い切り真正面から射られているんですが、よく生きているなぁと。

で、趙雲さんが先発を駆けますが、いや、本当趙雲さんてば一人で活躍してますね…喜ぶ友達をもれなく笑顔でどつきたい気分です。てかどついた。
本陣を守る大門をどうにか崩さないとならないけれど、やはり強固な守り。周瑜さんは甘興さんに何とかして大門を落とせと指示。甘興さんは兵士たちを率いて矢の雨の中を突進。しかし、途中で矢に射られてしまう。それでも甘興さん、手製の油壷を抱え、大門へ突撃。見事大爆発と大きな炎が上がり、大門は焼け落ちる。けれど、その代償に、甘興さんは帰らぬ人に。って、えええええ、ちょ、そんなー!
甘寧、ではなく甘興、と言う名前にした時点で友達は『お亡くなりになる人だ』と思っていたそうですが、それいうなら夏侯従兄弟はどうなんだ。惇と淵さん両方小説に出てくるけど、映画では夏侯シュンという人になってますが!

夜があけ、曹操軍と連合軍の戦いも激化。張飛が曹操軍を罵りながら単身で突っ込む。劉備さんが思わず止めますが聞かない。このとき、長坂で見られなかった仁王立ちのような見せ所くるか?!と思ったんですがあっという間に味方の盾持った守備隊に止められてしまいました。……いや、うん、こういう張飛も物凄く可愛くて好きなんですけど、その、趙雲さんばっかりじゃなくて張飛にも活躍の場を与えてください…!!(切実な涙
周囲を盾で囲み、亀のように周りからの攻撃を防ぎながら曹操軍へ突入しているのですが、中に入れられた張飛が関羽さんを見つけて近寄ったとき、隙間から射られた矢が当たってしまう。近くにいた劉備さん驚くけれど、張飛は何事もないように矢を引き抜いてしまいました。てかこの人たちやっぱりいつも一緒なんですな。まぁ今回趙雲さんは周瑜さんにぞっこん(死語)だからな。そんなに周瑜さんがいいなら呉に行っちまえー!(泣きダッシュ

張飛の代わりに今度は関羽さんが表に出て戦います。いいな兄者は。
趙雲さんに至っては棒高跳びの要領で本陣に乗り込み、周瑜さん見つけて満面の笑みで会いに行ってます。あのどう見ても坂にしかなってない、しかもほとんど槍の柄が刺さってもいないし曲がってもいないのによく飛び越えれるもんだというかそれ以前に後ろに倒れないもんだと突っ込んでいいですか。
周瑜と合流した趙雲さん、二人で会話してますが実はここにはもう一人、孫権が一緒にいます。はっきり言ってはぶられてます。君主なのに!しかしこの孫権、敵陣の中だというのによく突っ立ったまま動かないというか思案していることが多いんですが、危ないよ兄ちゃん。

ここまででいまいち活躍していない大将の一人劉備さんにやっと活躍の場が(酷い)投石器を壊すために単身突っ込みます。本当に誰も彼も一人で突っ込むのが好きな軍だ。ああでも剣をふるい戦う姿は勇ましい。投石器が放たれないよう、縄をつかんで止めますが、劉備さん一人の重さじゃ止めきれず、逆に宙吊り状態に。空中でじたばたともがく劉備さんがたまらなく可愛いんですが。それに気がついた関羽さんが慌てて投石器の縄を切り壊して劉備さんも助けます。パート2では三人一緒くたにされているけど、それが逆にいつでも一緒な感じがして、活躍の場がなくてちょっと寂しいけれど嬉しくもあり。

尚香といえば、戦陣の中で、密偵中に知り合った蹴鞠の兄さんを見つけ、思わず駆け寄り。しかし変装をといた尚香に気がつかず襲ってくる兄さん。急いで落ちていた兜をつけてデブ助だよ!と叫ぶと、兄さんもやっと気がつきます。しかし、それが悪かった。矢が尚香の背後から、兄さんはそれに射抜かれてしまう。戻る、と約束していた、約束どおり戻って再会できたのに。彼は尚香の腕の中で息絶えてしまう。何と言うか、その死を、上から見ればただの一兵の死を、しっかりと描くのはいいと思います。というかこの兄さん、本当に人が良くて涙出てくる…。

場面変わって、曹洪と夏侯シュンは、こうなったのもあの女のせいだ!と半ばやつあたりのように小蕎さんを殺せ!と探し回ります。周瑜さんは周瑜さんで、本陣で曹操を見つけるけれど見失ってしまう。趙雲さんと一緒に探してその途中別れると、周瑜さんの方が曹操を見つける。が、そこに曹洪が現れて挟み撃ちのような状態に。お互い剣を突きつけたまま、表へ。
いつの間にか集まっていた劉備さんたち。黄蓋の爺様もぴんぴんしてます。孫権は弓を曹操に向けているけれど、周瑜にも曹洪の刃が突きつけられている。一食触発。
曹操が自分は天子の勅命を受けている、跪け!!と一同に叫ぶが、関羽さんが『今更何を』と半ば嘲笑したように言うのですが、ちょ、違うだろ!関羽さんは曹操には一応義があるからそんな、嘲笑なんて!
…と思ったら、小説の方では、ちゃんと浮かない顔をしていたそうです。しかも一緒に張遼さんがあの場面にいたそうな。映画は結構はしょっているのね。
そんな中、楼台の上に何と、小蕎と彼女を捕まえた夏侯シュンが。無事か!と声をかける周瑜さんに小蕎さんもお腹の子も大丈夫だと答える。戦場の中でもらぶっぷりは相変わらずですね。しかしその再会をぶち壊すように、夏侯シュンが小蕎を突き落とそうとする。が、そこへはぐれていた趙雲さんが登場!やはり貴方か。夏侯シュンを殴り飛ばし、突き落とされた小蕎を何とか捕まえる。その時生じた隙を狙って孫権が曹操に向かって矢を射る。矢は曹操の髪留めを射抜き、周瑜は逃れ、切りかかろうとした曹洪を張飛が槍で腕を突き刺す。落ちかけている小蕎を託すように趙雲が小蕎さんの手を離すと、周瑜さんがしっかりダイビングキャッチ。
このときのシーンが何気に大好きです。周瑜さんがしっかりと小蕎さんを抱きしめ、その腕の力強さに今まで気丈にしていた小蕎さんが泣き出す。あー、大好きな人のところに戻れて、傷ついてるけど皆無事で、ただそれが純粋に嬉しくて安心して箍が外れたんだなぁと。

ところで小蕎に似ているからと言う理由で曹操に寵愛されていた麗姫さんが最後出てこなかったのは残念。嫉妬に燃えて小蕎に絡んでくるとか、曹操を罠にはめるとか、はたまた、曹操の寵愛を独り占めするために、小蕎を逃がすとかしてくれたらな、と思いました。小説では出てきておりますが、映画でも出してほしかったなぁ。

立ち尽くす曹操に、故郷へ帰れ、と告げ、勝者はいない、と言ってさる周瑜さん。追い詰めたのに何故曹操を討たないのかという疑問がおそらく三国志を知らない人は思うでしょうし、知っててもそれでいいのか?と言う気分に。どうやら、『天子の勅命』を曹操は受けているので、つまりは『天子』の代わり。孫呉と言っていても、天子の、漢の民である周瑜さんたちはだから討てない、と。

焼け落ちた本陣の中を、うなだれて歩く曹操が何とも…。
しかし、実は孫権に矢を射られ、髪が落ちた曹操に少なからずときめいておりました…曹操、渋いよ。えろオヤジだけど。(台無し

ラストは周瑜さんたちから以前生まれた馬を貰い、別れをする孔明さんの姿が。
友達が『何でこの二人は会話するとき、こんなに顔近いんだろう…』と何度も言うほど距離で会話してます。視線が交わりあってないような対話ですよね、あれ。
しかし、周瑜さんと孔明さんの友情、というのはいいなと思います。北方3594から入っているので、こちらも周瑜さんと孔明さんは地味に仲が良いので、逆に横山3594で孔明さんに対してきーきー言っている周瑜さんに微妙な気分を覚えました。美周郎よ…。


ともあれ、面白かったです!
3594知らない初心者の方にも薦めれるんじゃないですかね。確かにこれだけでは全部把握するのは無理だけど、取っ掛かりを作るのにはいい、面白い作品だと思います。戦のシーンは迫力ありますし、ところどころあるギャグもいい感じ。深く突き詰めたら色々まずいところもあるとは思いますが、そういうのは関係なしに、まず楽しんだ方がいいなと。
三義兄弟好きな私にとってはもうちょっと格好いい場面が見たかったなぁと。アレはアレでとてつもなく可愛いのですが。趙雲さんが凄く活躍しているのを見ていると、こう、ね。出番をよこせ趙雲!!と。

以上、感想でした。
友達がDVD買ったら友達の家のでっかいテレビで見るんだ!

戻る

designed