飲んでも呑まれるな
操「よし! お前達も飲め飲め!」
洪「いただきます!」
仁「いただいております!」
淵「ふあー、うめー!」
晃「お代わりはいりますか、洪殿」
惇「あまり勢いをつけて飲みすぎると体に悪いぞお前ら」
典「こちらは私一人で大丈夫ですよ」
許「いや、運転するから酒は飲めんしな。手伝うぞ」
飲み会終わって。
惇「自分の足で歩かんか、淵! お前もだ、孟徳!」
べろべろに酔っ払っている夏侯淵を車に放り込みながら後ろで許チョに担がれている曹操をどやす夏侯惇
操「母がまた怒鳴っとるわ、怖いのう、許チョ」
惇「だれが母親だ!」
許「徐晃殿と曹洪殿はどうなされますか。何でしたら送っていきますが」
晃「いや、社長達とは逆方向だから、我々はタクシーで帰る。先ほど李典が呼んでくれたしな」
こちらでもぐだんぐだんの曹洪が徐晃に肩を担がれてます。そこにタクシー登場。
晃「それでは社長、失礼致します」
操「おう、気をつけて帰れ」
曹洪を先に乗せて徐晃も乗り込みタクシーは消えます。
許「……大丈夫でしょうか、お二人で帰しても」
操「徐晃がついておるから大丈夫だろう」
惇「……別の意味で子廉が気がかりだがな」
お察し下さい。(皆さん口に出しては言いませんが仁と淵以外二人の関係に気がついてます)
後部座席にべろべろの曹操と夏侯淵、助手席に夏侯惇、許チョが運転してます。
後ろの二人は気持ち良さそうに寝こけております。
惇「とりあえず俺の家でいい。淵のところまで行っておったら遅くなるだろう」
許「分かりました」
惇「毎度すまんな、お前さんも飲みたかっただろう」
許「いえ、飲む機会はまたありますでしょうし」
惇「そうだ、今度典韋も呼んで三人で飲みに行くか。こいつらがいるとゆっくり飲むこともできんだろう」
許「ありがたいお誘いですが、典韋と三人で、と言うのは少々」
惇「ん?」
許「典韋か私、どちらかが必ず社長の側におらねばなりません」
惇「飲みに行くくらいなら他の者でも大丈夫だと思うがなぁ」
許「社長も一緒であれば」
惇「それじゃあ結局、お前さんたちがゆっくり飲めんだろう」
許「そうですね。ですが、楽しいと思います」
惇「お前さんも甘いな」
許「夏侯惇殿も」
典韋さんは夏侯惇が引き抜いてつれてきたんですよね。
夏侯惇の家に到着。
惇「そら、淵、起きろ、肩を貸してやるからせめて自分の足で歩け!」
淵「うー、まぁだ飲むぞー」
惇「もう飲むな、飲まさんぞ、ええい、重い!」
許「私が運びますので夏侯惇殿は鍵を」
惇「すまんな」
許「社長、少々お待ち下さい」
操「ああ。ほれ、妙才、元譲の言うことを聞いて歩け」
淵「うー」
ずるずる運ばれていく夏侯淵。玄関のドアを開けた夏侯惇に渡します。
惇「淵はとりあえず今日は泊まらせる。お前さんは孟徳を頼むな」
許「はい。それではお疲れ様でした、お休みなさいませ」
惇「ああ。だがいつまでも孟徳に構わず、さっさと家に放り込んでお前さんも休めよ」
操「まったく、あいつは気を回しすぎだのう」
二人をおろしてまた車が走り出します。
許「どうなされますか。まっすぐご自宅へ帰りますか、それとも一度社の方へ戻りますか」
操「そうだな、このまま帰ってもいいが、明日起きるのが辛そうだな。少し目を通したいこともあるし、社に戻って泊まるか」
許「了解しました」
操「ところで」
許「はい」
操「三人で飲みに行かんのか?」
許「……聞いておられたのですか」
操「わしに構わず行ってくればよいだろう。たまには羽を伸ばしてこい。多分、あいつはわしへの愚痴ばかり言うだろうがな。」
許「そうはまいりません。典韋と私は、社長の護衛が仕事ですし」
操「そのわしがいいと言っているのにか」
許「はい。それに羽を伸ばす、と申されましても」
操「うん?」
許「……社長の側で窮屈だと思ったことはございません」
操「そうか」
所変わって。
晃「洪殿、着きましたよ」
洪「んー……」
タクシーから降りて曹洪に肩を貸しながら部屋まで運んできた徐晃。
晃「靴も脱いでください」
洪「おー……」
玄関先に座り込んでいる曹洪の靴を脱がす徐晃。
晃「ここで寝ては駄目ですよ」
洪「あー……」
返事がすでに夢の中な曹洪をまた引きずってとりあえず寝室へ。
晃「はい、水ですよ」
洪「………………」
晃「服も脱がせますよ。そのままで寝ては体に悪いですし皺にもなる」
手際いいですね。
洪「……徐晃」
晃「はい」
洪「……ぬがせて、なにを、するきだ」
晃「……何も致しませんよ」
洪「なにも、せんのか」
晃「……何か、してほしいのですか」
洪「………………」
晃「酔っている隙をついて何かをする、と言う趣味はありませんが」
洪「ほんとうかぁ?」
晃「ありませんよ。ですが」
洪「ん」
晃「したいという気持ちはあります」
洪「……したいのか」
晃「と言うか、機会があればいつでも」
洪「……じゃあ、……するか」
晃「──────」
洪「………………」
晃「……大分酔っておられますな」
洪「あ?」
晃「自分が何を言っておられるか理解してますか」
洪「しとる。……おれもしたいとおもうときぐらいあるわ」
晃「本当に宜しいので?」
洪「くどいぞ。そのきがないなら、もういい」
晃「いえ、その気は十分にあるので」
洪「ん、」
晃「ただ、あなたがそんなことを言うのは珍しいので驚いただけです」
洪「ふん、……だったらはやくしろ。きもちよく、させろよ」
晃「本当に今日は驚かされる日ですな。酔っておられるとしても聞けぬ言葉ばかりだ」
洪「うるさい、このままねてしまうぞ」
晃「それはご勘弁を。それでは」
洪「………………ん」
口調がたどたどしいので全部ひらがなの洪。
更に所変わって仁さんち。
典「曹仁殿、いい加減起きてください。そんなところで寝転がっていたら風邪を引きますよ」
後片付けを終わらせてテーブルを拭きにきた李典がソファに寝転がっている曹仁を呆れて見ています。
典「だらしないですよ、ほら、起きてください。寝るならせめてベッドに行って寝てください。明日も仕事でしょう」
仁「んー……」
典「曹仁殿!」
だらだらうごうごしている曹仁を無理矢理引き起こします。
仁「………………ん、んー……李典」
典「何ですか」
仁「……面倒だ、ここで寝る」
典「面倒だ、じゃないでしょう。起きてください……うわっ」
李典を抱き込んでそのままソファに横倒れ。
典「ちょっと、何を……!」
仁「お前も、ここで寝てしまえば問題ないだろう」
典「どういう理屈ですか、問題があります、離してください!」
仁「うるさい」
李典の頭を肩口に押し付けて抑え込み。
典「曹仁殿、くるし……っ」
仁「………………」
典「……? 曹仁、殿?」
仁「……李典、お前、ぬくいなぁ」
典「は? ……曹仁殿の方が体温高いでしょう。お酒も大分飲んでいるし……」
仁「んー……」
典「曹、仁殿、くすぐったいですよ、そんなことしてないで、早く起きて……ひっ」
もごもごと首筋に頭をすり寄せていたと思ったら。
典「ちょ、そ、曹仁殿、何を……」
仁「………………駄目か」
典「……駄目か、とか、それより前に、何でいきなり……」
仁「いきなりでもないだろ……お前、気持ちいいしぬくいし……いい匂いもする」
典「だからって、こんなところで……」
仁「李典……」
典「………………明日が辛いですよ。……まったく……しょうがない人ですね」
仁「うるさい……」
李典も曹仁の背に腕を回し。
典「………………。………………? …………曹仁殿?」
仁「……………………Z」
寝てます。
典「──────」
次の日。
淵「うー、まだちょっと頭いてぇ」
惇「自業自得だろう。他の者の前ではだらしない恰好はするなよ」
淵「分かってるよ」
操「おう、夏侯淵、調子はどうだ」
会社なので名前で呼びます。
淵「社長、おはようございます。少し頭痛はありますが、何とか」
操「ははは、わしより呑んでいたからな。まぁ、呑ませたのはわしだが」
惇「社長は大丈夫なのですか」
操「ああ、二日酔いもない。だが、ちと眠いかな」
惇「………………おい、許チョ」
許「はい」
前を歩く曹操を見ながら。
惇「またお前に我侭を言ったのか?」
許「………………申し訳ありません」
惇「お前が謝るな。仕事に支障がなければ問題ないが……困ったもんだ」
許「状況から判断して無理だと言うときは止めております」
惇「あー、そうしてくれ。いきなり仕事をキャンセルだとか言うときは捕まえてでも止めていい」
許「さすがにそれはないと思いますが」
操「おお、曹洪、徐晃」
晃「おはようございます」
洪「……おはようございます」
いつもと変わらない徐晃に朝からぐったりしている曹洪。
操「朝から辛気臭いのう、曹洪」
洪「……まぁ、その」
操「何だ」
洪「………………………………」
晃「二日酔いです、社長。昨夜はかなり呑みましたし」
操「ほほーう。まぁ、無理はするな。体は労われよ」
洪「は、はぁ……」
惇「………………」
許「………………」
いつもと変わらずとも妙につやつやしている徐晃にあえて何もいわない人々。
仁「おはようございます、社長」
操「おう、曹仁……何だ、お前も二日酔いで頭が痛いのか?」
仁「いえ、二日酔いではないのですが」
頭を押さえてやってきた曹仁。
仁「……昨夜、自分は何かしでかしたのでしょうか」
操「?」
仁「朝起きたら、頭にこぶができてて、しかも李典の奴が、酷く怒っとりまして……」
惇「俺達が帰るまでは、特に何もしていなかったが」
許「はい」
淵「ちょっと呑みすぎで李典に怒られちゃいたけど、酷く、ってほどでもなかったしな」
操「酔っ払ってどこかに頭でもぶつけたのか? それとも暴れて李典に殴られたか」
仁「……どうなのでしょう」
晃「李典に聞いた方が早いのでしょうが、その様子だと難しそうですな」
仁「……今日は弁当なしだ」
了
飲み会in曹仁さんち。
張っちゃけるの4人、フォローするの4人。
夏侯惇が無双と蒼天混じってしまっていますがご容赦ください。横山の夏侯惇は丁寧なのになぁ。北方から入ったのなら、曹操に敬語使うのも違和感ないはずなのに。
うん、ただやり取りを書きたかっただけで中身はないです! と言うか仁さん、一応おえらいさんなのに弁当か。
暗転した部分を説明すると、許操は会社で一晩過ごしました。晃洪は曹洪さんが気持ちよくさせろといったのでご期待に沿ったそうです。曹洪さん大後悔。確かに気持ちよかったけど。仁典は話のくい違い。仁さんは最初からソファで寝る、と言うことを話してました。首に吸い付かれたので勘違いしてしまった李典さんはあの後大変だったそうです。何がって、まぁ色々と。仁さんのこぶは李典さんの拳です。でも説明できるわけない。その気になっていたのに放置プレイされただなんて!
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