無双仁典で妄想:其の七
※IN合肥
李典「………………」
楽進「………………」
張遼「………………。
どうしたのだ、アレは」
楽進「知りません」
張遼「普段はおかしいのではないかと思うくらい、
賑やかなはずだが、ここ数日は随分と大人しい。
今日に至っては何やら疲労困憊とすら思えるほど暗い顔をしているが」
楽進「騒がしいのが静かなのは奇妙です」
張遼「何も知らぬのか」
楽進「存じません」
張遼「ふむ……。
静かなのは良いが、戦うに支障が出るようでは問題があるな。
改善できるものならその策を講じたいが、何が原因か分からぬではな」
楽進「曹仁殿なら、何かご存じやもしれません」
張遼「曹仁殿か……よし、竹簡をしたためてお聞きしよう。
放っておいて治るならそれで良いが、いつ呉軍が来るか分からぬのであれば、
早急に解決できる手を打った方が良いだろう」
楽進「正直に言って直接対応するのが面倒になっていませんか、張遼殿」
張遼「相手にするより、分からぬ病は飼い主に聞いた方が早かろう」
楽進(今、さらっと酷いことを言わなかったか)
李典「そうじんどの……」
張遼「うん?」
李典「……あー! もー! 足りない! 足りない!
足りなさ過ぎるー!!!
曹仁殿成分が足りないいいいいいいい!」
張遼・楽進「………………………………」
李典「長く会わないのなんて今までだっていくらでもあったのに何これ!
こんなになるなんて俺自身もびっくりだよ!
ああもうあの低い声で説教してほしいツッコミ入れてほしい罵ってほしいいいいい!」
張遼「曹仁殿にそのような趣味はないはずだが」
楽進(どういう趣味のことを言っているんだ)
張遼「何にせよ、原因は分かった。
曹仁殿に竹簡を送り何か講じていただこう」
楽進「やっぱり丸投げしてませんか」
張遼「お主はあの李典の相手をしたいか」
楽進「結構です。
────って」
李典「………………」
楽進「…………何をしている、貴様」
※いつの間にか楽進の背後に回った李典さんが抱き着いていた
李典「…………足りない……」
楽進「何?」
李典「足りない! 筋肉が足りない!
曹仁殿はもっとごつくて硬くてみっしりしていて触り応えのある筋肉してた!
おまけに骨太で筋骨隆々!
楽進殿もがっしりしてるけど細い!! もっと筋肉つけてよ!!」
楽進「知るか!! なんでお前にそんなことを言われなければならん!!」
李典「だって身の丈が曹仁殿とどっこいなんだもの!
あの触り心地期待してたのに裏切られた! 酷い!」
楽進「俺のせいか!? 貴様が勝手にそう思っただけだろうが!!」
李典「ああもうがっかりだよ、一番槍は自分に、とか言っているくせに、
そんな細さはがっかりだよ!」
楽進「………………ッッッ!!!」
張遼「落ち着け、楽進。今のこやつは気が滅入っているだけで、
自分が何を口走っているのかも理解しておらぬだろう。
酔漢と同じものよ。相手にするだけこちらが疲労するのみ」
楽進「…………早急に曹仁殿に竹簡をお願いします」
張遼「無論だ」
曹仁「………………」
満寵「どうなされました、曹仁殿」
曹仁「……ふむ、そろそろ李典宛に文をしたためた方が良いかもしれん」
了
※曹仁殿は無双6猛将伝だか何だかで筋骨自慢の武将の一人に選ばれていたそうです。魏軍からはもう一人典韋さん。仁さんは小柄だけどがっしりみっしりどっしりしているんだなーと。徐晃さんは選ばれなかったんだろうか。
因みに私は張遼さんのことを、戦う事(主に関羽さんと)が第一で、他のことは一応きっちりしっかりするけれど、わりと見切りが早いイメージがあります。これは解決に多大な労力が必要になる、と感じたら、それに対応できる人物に任せて見切ってしまう。
呂布軍にいた時は、呂布さんの面倒を陳宮に丸投げしていたと思います。一応フォローはするけど。
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