北方謙三『三国志』ゲーム感想
以前、ラジオ放送されていた北方先生の作品がゲームとなって登場。イラストとフルボイスで語られるわけです。
イラストは渋い。声がつくと、ちょっとイメージと違う声でもやはり迫力がある。しかし同時に、そこのその言い方は違うだろ!というツッコミも出てくるわけですが、おおむね良い感じだと思いました。けれどおそらく人の好みが分かれると思います。
でもまだ10代半ばのころの孫権の声が老けすぎなのはどうよ。
同じく孫策も青年とは思えないほど声が老けていました……も、もうちょっと若めの方ではいけなかったのか。
以下ネタバレにつきご注意ください。
物凄く腐な発言があるので、純粋に北方3594を熱く男前に愛していらっしゃる方は開かないでくださいませ…。私も男前に熱いの大好きだけど!!
とにかく、女性陣の出番が物凄く増えてます。び夫人は何となく横山先生の孫夫人みたい。男勝りの娘というではなく、意志の強い女性と申しましょうか、もう劉備さんめろめろ。劉備さんに嫁ぐくだりは好きですが、その後、事あるごとに登場して劉備さんを支えてます、みたいな表現がされるのはちょっと……くどいと思った。何事も程々がいいと思うんだ!てか甘夫人立つ瀬ないやん!!
でも劉備さんの奥さんたちは不思議に、仲が悪かった、という描写がないみたいですよね。他の女性陣だと色々女性の怖いところが浮き彫りになっていたりするのに。仲が良かった、というのはいいなぁ。
あ、あと、声がついているせいで、女性との絡みのシーンが生々しくていやん(笑)ソソ様自重してください。
ビジュアルは呂布さんは異人さん系。劉備さんはどう見ても仁徳スマイルができそうにない。関羽さんは20代でも声が老けている。張飛は北方原作読んでからだと地味にショック受けそう。いや従来の張飛と同じだと思います見た目。孔明さん髪長!!曹操はちょっと顔が見えづらいけど印象がうs(削除)孫堅も印象が(削除)周瑜さんは結構ぴったり。そして馬超。
曹操や劉備さんたちより一番威厳があって派手なのはドウヨ。さすが錦馬超?!
呂陳にとってはおいしいシーンも追加されてたり、あの台詞を言ってくれたりとあるんでうれしいんですが、でも
陳宮太いんですよね……あごなんて二重あごだし……(遠い目)北方では陳宮は『商才がある』という設定だから、絵師さんは成金商人風にしたのかなーと思ったのですが、文官が結構それ系の人が多いので深く考えないことにしました。声は良い感じなのですが(黄昏)
陳宮はビジュアルはともかくとして、声は結構良い感じ。しゃべり方も、変に厭味たらしくもないし三下っぽくもないし。呂布さんと夢の話をするところとかときめいておりました。耳で聞いて目は小説の方に向けておりました。
呂布さんがび竺さんを見て(台詞うろ覚えですが)『頭を使うのが好きに見える。陳宮、お前のお仲間だ』と言ったのが地味に好きです。呂布さんが話を振っている…!その後『陳宮にございます』と挨拶する陳宮がまるで
旦那から紹介された妻のようなげふんげふん。
他に、び竺さんと劉備さんが話しているとき、『呂布は担がれるのは嫌いではない。
担いで欲しい陳宮は野心家で目の前の利益を取ってしまう云々』というくだりがあるのですが、
『担いで欲しい陳宮』と言う言葉はどこにかかるのかお尋ね申し上げる。つまりあれか、
呂布さんは陳宮に担いで欲しいと、そう思っている、ととってよろしいのかび竺さん!!と言うか他陣営のび竺さんにそんな風に思われている呂布さんは普段どんだけ陳宮陳宮言っているんですか!!
いや落ち着け、もう一度読んだら違う意味かもしれない。台詞がうろだから怪しいし!!
ショックだったのは、劉備さんが呂布さんを説得しに来たシーン。
陳宮の出番が全部まるっとカット。更には呂布さんの
『俺には陳宮がいる』もカット。ちょ、そこはカットしちゃいかんだろ!でもその後で劉備さんが『志は陳宮が考えると言っていた』と言うフォローも入ってましたが……やっぱり呂布さんに言ってほしかった。あとは呂布さんと高順さんの軍人同士の会話を聞いて、ちょっと寂しさを覚えたりする台詞もなかった。
けれど戦に負けて自決しようとする呂布さんを叱って奮い立たせたり、敵に捕まり馬に縛られながらも追ってくる呂布さんに城内へ戻ってくれと叫ぶシーンはちゃんとあった。いいなぁ陳宮。
呂布さんの
『敗れざること』や
『陳宮を見捨てるわけにはいかん。返してもらうぞ』もしっかりあったー!渋いよ呂布さん。
しかし……最後、呂布さんが射られたあとの叫びは李姫さんじゃなくて陳宮が良かった…。これは腐な視点でもなんでもなく、
あの流れからいったら陳宮じゃなきゃだめだろ!!李姫さんはわかるんだけど、あの流れだと唐突感があって、感動を覚える前に、え、陳宮じゃないの?と言う戸惑いが真っ先に。
許チョさんは曹操との再会シーンがまるっとなかった…。
一気に飛ばして、一番読みたかった赤壁逃亡戦。いやもううん、
ときめき殺されそう。許チョさん太い太い思ってたけど、そんなに太くないみたいです。いやそれはいいんだ別に。声も渋くていい。ちょっと感情が出すぎかなぁと思うけれど格好いい。
むしろ曹操が物凄く弱気でどうしたのかと。もう、なおさら許チョさんに頼り切っている感が出てああもう。
『虎痴か』『はい、虎痴です』のくだりもしっかりありました!そのあとの、
『丞相と呼ぶな、殿と呼べ。お前だけは、そう呼べ』の一連は何だか曹操の言い方が
愛の告白でもするかのように聞こえたのは私の頭が腐っているからだと思います。でもあの言い方は…!!疲れ果てている演技だと思うけれど、
妙に恥らっているようにも聞こえて私はどうすれば!!
おまけに抱き上げたシーンのイラストもあって、それはおんぶじゃなくて前に抱えあげてるように見えました。つまり
姫抱k(削除
けれど許チョさんの冗談のシーンは削られてました……残念。曹操との戯れが…!!
そして曹操が許チョさんに『お前だけは殿と呼べ、私だけが虎痴と呼ぶ』発言をしたあと、しばらくして、馬超のお父さん、馬騰と話す時があるのですがこのときには曹操は『許チョ』と呼んでいるんですよね。小説ではなかった会話なので、ラジオ用にシナリオ追加したとき、虎痴呼びの設定忘れたのかなーと思っていたら、
二人きりになったときはちゃんと『虎痴』と呼んでいる。つまりアレか。
人前では呼ばず二人きりのときにだけ呼ぶのですかソソ様。
二つ名呼びで特別扱いを人前でやると他の部下の士気にも関わるからか!
もちろん人前でも自然に虎痴、虎痴と呼んでいてもいいと思いますが、二人きりになったときだけ呼ぶというのも…!! いかん血が。
小説では他の人の前でも『虎痴』と呼んでいるシーンがあるので気にせず呼んでいるのでしょうか。そうだよな、宣言しとかないと理由を知らない他の人が呼ぶわけだし。正史では『許チョ』より『虎痴』が本名かとも思われていたみたいだし。しかし堂々と宣言するのもどうなんですか。何となく言えない雰囲気を作り出していったのか。許チョさんに他の人に虎痴と呼ばれても返事するなとか。もともと小説では畏敬と侮蔑の二つの意味で呼ばれていたみたいですし、気軽に呼ぶ人もいなかったんだろうなぁ。
『殿』呼びは、『丞相』と呼ばせるようにしていたのに許チョさんだけが殿と呼び始めて何となく不思議に思った誰かが問い掛けて『虎痴は良いのだ』と言ったんでしょうか。ただ『構わん』と言っただけでは他の人も『殿』と呼ぶでしょうし。いかん、何名前呼びだけで熱くなっているんだ自分。(はっと我に返る)
しかし更に追い打ちをかけるようにその後の、月を見上げながら敗戦を噛み締め詩を詠うシーン。
ナレーション、盛り上げすぎです(鼻血横倒
『虎痴か……』と、小説にはない三点リーダーがつくだけでも破壊力あるっていうのに。
やっぱり許操大好きだ!!
まだまだ語りたいことはあるけれど、ともあれ、はい、十分に堪能させていただきました。
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