真赤―まそほ―

吉川3594より

若い。

新装版吉川3594文庫二より引用。
今回は名場面なのでネタはなしです。吉川3594のそのまま。
許チョさんが曹操の部下となりまだ日も浅い頃、李カク、郭を討ち取る前に、李カクの甥っ子李センと李別を討ち取ってこいと曹操に命じられるのです。許チョさんは飼い主の拳を離れた鷹のように翔け向かい、一刀のもとに切り殺し、逃げた李別はなんと後ろから追いついてその首をふッつとねじりきって静々と駒を返してきたそうです。
二つの首を見た曹操は許チョさんの背を叩いて誉めたたえたそうです。元来、田夫から身を起こして間もない許チョさんは、あまりの晴れがましさに顔を赭(あか)くしながら諸将の間へ隠れこんだそうです。
その様子がおかしかった曹操は戦場だと言うのも忘れ「可愛い奴じゃ」と哄笑した、と。
うん、確かに可愛すぎます。


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